【海外活用】 進まないベトナム国有企業の民営化

2015年5月7日

 

kaigaicolumn048ベトナムは国際競争力を強化するために、基幹産業を独占的に支配している国営企業の改革民営化を政策に掲げています。しかし現状では、民営化の目標に対して大きな遅れをとっているとの記事を、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が掲載していますのでご紹介いたします。

 

◯非効率な国有企業に投資が集まらず

 

国有企業の非効率性が、経済成長の足かせになっていると言われるベトナムでは、民営化政策を掲げて、2010年末の1350社から2013年には949社へと、国有企業の数を減らしてきています。

 

しかし、この第一四半期ではたった27つの国有企業を民営化したのみで、目標に対してわずか9.3%の達成率であることが、財務省が発表した報告書で明らかになりました。また今年度は国内最大の携帯電話キャリアの一つであるMobiFoneやいくつかの発電会社が民営化予定ですが、第一四半期に民営化された企業のほとんどは中小企業だったそうです。

 

元政府経済アドバイザーのル・ダン・ドアン氏は、経営の主導権が握れないマイナー投資しか認められていない国有企業の株式の購入には、投資家は興味を持ちえないと指摘しています。その結果、近年では政府が募集したうちの、わずか44%しか国有企業の株式を売却できていない、とのことです。

 

ベトナム国内で3つの投資ファンドを開設しているクリス・フロイント氏は、「多くの外国人投資家は、経営不振と汚職のために国有企業にあまり魅力を感じていない」とコメントしています。同氏は4つめのファンドを開設する予定ですが、国有企業に投資する予定はなく、民間部門への投資にのみ注力するとのことです。国有企業改革を加速できずにいることは、世界経済に進出しようとするベトナムにとって損害であると、同氏は述べています。

 

ベトナムはアメリカ主導のTPPをはじめとして、いくつかの二国間および多国間の自由貿易協定への加盟が期待されていますが、マネージメントが不十分で非効率なベトナム企業にとっては、さらに難しい競争を迫られることになるだろうと、フロイント氏は指摘しています。

 

国有企業の低生産性の原因は、マネージメント能力やインセンティブ構造の問題だけでなく、本来はベトナムの武器であるはずの低コストの労働力を活用しにくい、資本集約的な産業に対して過剰投資を続けてきたためである、という指摘も記事ではなされています。

 

出典:http://blogs.wsj.com/frontiers/2015/04/08/vietnam-struggles-to-achieve-privatization-goals/

 

海外活用コラム 執筆:GTAC(2015年5月7日付)


 

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