【海外不動産】首相の選挙公約が招く、英国の住宅不足

2015年4月23日

 

kaigaifudousan_column33英国では供給不足のため住宅価格が高騰し、住宅購入が年々困難になっています。5月に総選挙を控え、キャメロン首相率いる保守党は、住宅購入を促進させる公約を掲げました。しかし供給側に構造的な問題があるなかで、いたずらに需要サイドを刺激することには批判も多いとのことです。ブルームバーグで配信された記事「キャメロンのRight to Buyは英国の住宅不足を悪化させる(原題:Cameron’s Right to Buy Seen Making U.K. Housing Shortage Worse)」をもとにご紹介します。

 


◯供給不足による住宅価格の高騰

 

英国は住宅不足の問題を抱えており、特に低所得者向けの住宅の供給不足は深刻です。そこでキャメロン首相は130万世帯の貧困層に対し、彼らが借りて住んでいる家を購入する権利「Right to Buy」を拡大する方針を示しています。しかし、それが価格の高騰を招いた住宅不足を更に悪化させ、供給に関しては何もポジティブな影響を及ばさないのでは、という批判があります。

 

2012年に保守党と自由民主党の連立政権は、マーガレット・サッチャー政権下で人気のあった「Right to Buy」政策を、最大割引金額を1万6000ポンドから、7万5000ポンドに引き上げて復活させました。さらに翌年には11万ポンドにまで引き上げました。5月7日のイギリスの総選挙の投開票日を約1ヶ月後に控えて、キャメロン首相はこの「Right to Buy」の対象を非営利である住宅協会の物件にまで、拡大することを表明しました。これにより住宅協会の物件を3年以上借りていれば、3分の1の割引価格によって、物件を購入する権利(Right to Buy)を、貸借人は手に入れることが可能となります。

 

この「Right to Buy」政策の拡大に必要な費用は、住宅協会が保有する高額物件を売却することで賄われることが計画されています。また住宅協会は、販売した分だけ、新しい住居を建てるよう求められるとのことです。しかし現行制度では、販売物件の半分以下しか新築されていないとも指摘されています。イングランドでは、高まる需要に追い付くために、年間24万5000件もの住宅が必要とされている一方、過去5年間では平均11万5000件しか新築されていないそうです。

 

こうした住宅不足を背景に、英国の住宅価格はこの2月までの1年間で7.2%上昇しています。そのためRight to Buyを拡大しても住宅市場の問題解決にはならないという指摘は多く、「Right to Buyは票獲得にはよいが、政策としては最悪である」という有識者のコメントも紹介しています。

 

保守党は「Right to Buy」政策拡大のために、高額物件の販売で175億ポンドを調達する計画を建てていますが、「そもそも175億ポンドもあれば、一部の幸運な人々に住宅を与えることよりも、みんなに開かれた100万戸もの共同住宅を作れる」という批判の紹介で、記事は締めくくられています。

 

出典:http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-04-14/cameron-s-right-to-buy-seen-making-u-k-housing-shortage-worse

 

執筆:GTAC(2015年4月23日付)

 

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