【資産防衛】アベノミクスで予想されるインフレ!いつから対応するべきか?
徐々に見えてきたデフレ脱却の兆し
アベノミクスの骨子は、端的に言えば「デフレからの脱却」である。つまり、緩やかなインフレを醸成させようというものだ。目標は、消費者物価指数の上昇率を年2%にすること。それを実現させるための第一弾として、4月に「黒田バズーカ」と称される異次元金融緩和を実施し、さらに第二弾として、「国土強靭化計画」の名のもと、積極的な財政政策を展開した。そして次に来るのが、秋口にも打ち出されてくる成長戦略だ。
これらの施策が成功するかどうかは、現時点ではまだ何とも言えないが、リスク管理というのは、「将来、直面するかも知れないリスクに対して、事前に対応する保険のようなもの」である。
現在、保有している財産が、アベノミクスによって直面すると思われるリスクは、前述したインフレだ。
デフレ下では言うまでもなく、現金があらゆる資産の王様だった。何しろ、モノの値段が勝手に下がっていくのである。結果、相対的にお金の価値は上がる。物価が年3%下落すれば、ただ現金を持っているだけで、3%の利回りで運用できたのと同じ経済効果を持つ。
それが、インフレになれば逆転する。資産を現金で保有している間、仮に物価がどんどん上昇すれば、相対的にお金の価値は目減りしていく。
事実、私たちの身の周りにインフレの芽はたくさんある。アベノミクスによる異次元金融緩和は、市中に流通する現金の量をおびただしく増やすため、それだけで通貨価値は下落する。来年4月からは消費税が8%に、さらに再来年4月には10%に引き上げられる予定で、これもモノやサービスの値段を押し上げる。そして円安。すでに安倍政権が発足してから、円は対米ドルで30%程度下落した。日本のように、諸外国から食糧、資源・エネルギーの多くを輸入している国にとって、自国通貨の下落は国内物価の上昇に直結する。
実際、6月の消費者物価指数は前年同月比で0.4%のプラスとなった。消費者物価指数がプラスになったのは、昨年4月以来、1年2ヵ月ぶりのことだ。まだ本格的な上昇というにはほど遠いが、デフレ脱却の兆しは、徐々にではあるが見えてきている。
「インフレ商法」にはくれぐれも注意!
仮に近い将来、本格的な物価上昇に直面した時、資産の大半が現金だったら、確実に物価上昇分は、資産価値が目減りすることになる。だからこそ、少しずつ保有資産を、インフレに強い体質へと改善していかなければならない。
そのためには、インフレに強い資産は何かということを、今のうちから見極めておく必要がある。
ただし、くれぐれも注意しなければならないのは、「インフレ商法」に騙されないことだ。いたずらにインフレに対する恐怖心を与え、怪しい金融商品などに誘導する輩が必ず出てくる。この手の連中に資産を託したが最後、持ち逃げされるリスクもあることに注意するべきだ。
結論を言えば、今の段階ではまだ慌ててインフレリスクに対応する必要はない。まずは消費者物価指数の動向を注視するとともに、インフレに強い資産を並べ、自分が現在保有している資産と見比べて何が足りないのかを考えること。インフレに強い資産をポートフォリオに組み入れるなど、実際にアクションに移すのは、消費者物価指数が1%近辺まで上昇するのが常態化してからでも遅くはない。
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