【事業承継】手塩にかけて育ててきた会社の株価評価のジレンマ(2)
以前購入した土地の含み益が株価高騰の原因に
株価が予想以上に高くなるのは、純資産価額方式と類似業種比準価額方式のそれぞれに起因しています。
純資産価額方式で株式評価すると高くなる要因は、貸借対照表(B/S)の資産の部に「含み益」がある場合が考えられます。この評価方法による純資産価額は、相続税評価額に換算した「総資産額」から、同様に換算した「負債価額」を差し引いた価額をベースにして算出されます。
かなり以前に買った土地の価格が年数とともに上昇し、相続税評価額が買い入れたときの価格をはるかに超えるとB/Sには表れない大きな含み益を生み、株価を引き上げる要因になるケースです。
内部留保が累積して簿価純資産を高くしている場合も、株価を引き上げる大きな原因です。中小企業の多くは金融機関からの信用力が低いため、できるだけ内部留保して資産調達が必要なときに備えようとします。もちろんそうすることで立派な優良企業ともいえますが、逆にこれが株価を引き上げる要因にもなります。
類似業種比準価額方式が株価を引き上げる要因としては、
・評価基準となる上場会社の株価上昇
・相対的に高い配当率
・1株当たりの年利益金額が高い
・1株当たりの簿価純資産価額が高い
などがあります。
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