【事業承継】遺留分の特例で経営権承継の環境整備

2014年6月11日

 

オーナー社長の人生最後の希望さえも覆す効力をもつ民法の「遺留分」規定。事業承継にとって手強い相手には違いありませんが、この遺留分のハードルを事前に解決しやすくしてくれる制度が、中小企業経営承継円滑化法の民法特例に規定されています。

 

自社株式を事業承継するときに、後継者を含む相続人全員の合意があれば、オーナー経営者から後継者に生前贈与された自社株式について、次のようにできます。

 

一つが「除外合意」です。

これは、遺留分の対象となる相続財産に対して相続人の間で合意できれば、自社株式は遺留分の対象となる財産から除くことができる特例です。

 

もう一つは「固定合意」。

これは自社株式は遺留分に含めることにして、遺留分は株式評価で業績がよければ上がり、悪ければ下がるので、承継者が承継する直前のタイミングで価額を固定してしまう特例です。生前贈与から相続までの間に株式評価が上がったのは、後継者の力によるところとして、後継者が安心して事業に邁進できるようにする制度です。

 

除外合意と固定合意

精査よりも合意が重要

 

固定合意の評価額に関しては、第三者(税理士、公認会計士、弁護士など)から価額証明をとる必要があります。

 

いずれの合意も家庭裁判所での手続きが必要で、相続人同士だけで、内々で勝手に決めることはできません。

 

また、合意をする際には、非後継者(後継者以外の相続人)がオーナー社長から生前贈与によって取得した財産についても、遺留分算定の基礎財産に算入しなくていいというような合意をすることができます。

 

この規定を活用しながら、後継者と他の相続人との間のバランスを図り、お互いに納得できる内容にすることが大切です。

 

一定の除外をすることで生じる損失は、多少補填してあげなさい、というバーターの側面はありますが、「合意」できるかどうかが、この制度のポイントになります。

 

 

 

この記事はお役に立ちましたか? 幻冬舎総合財産コンサルティングが運営する無料会員組織「カメハメハ倶楽部」に登録すれば、最新の関連情報やセミナー/イベントの開催情報などをいち早くお受け取りいただけます。無料会員登録は、登録フォームからどうぞ。