【M&A】金額交渉では、先手で誠意を見せる―交渉編②(2)
買い手の希望も聞いて、落としどころの金額を探る
以上は売り手の都合から見た話です。
もちろん、買い手としては売り手の会社に魅力を感じてなんとか手に入れたいと思っているわけですが、どうせ買うのなら客観性のある範囲で「少しでも安く買いたい」と考えるのが当然でしょう。
一般的なケースでいえば、買い手は幅をもたせた買収金額の下限をまずぶつけてきます。
下記の図の交渉例では、当初売り手の30億円と買い手の15億円という数字には大きな開きがあり、一見すると交渉の余地がなさそうです。ですが、双方があらかじめ設定していたレンジの中であれば、交渉の余地があるということです。
そして両者が金額的に折り合い、例えば19億円という金額に双方納得がいけば、基本合意へと進んでいきます。
もし、売り手が金額面では「60対40」などとやや自分の言い分を通した場合、その他の面で買い手の言い分を立てるなどして、両者の主張のバランスを取ります。
もちろん、お互いの希望金額に開きがありすぎたりして破談になることもあります。そのときは、売り値を下げるなり新たな買い手を探すなりしていきます。
時にオーナー社長の中には、欲が深すぎたり駆け引きに走りすぎたりすることが原因で、失敗する例もあります。
交渉は大切ですが、客観性のある範囲内であれば折り合いをつけることも重要です。
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