【M&A】駆け引きに溺れると逆にマイナスに―交渉編③

 

ほとんどの場合、M&Aによる売買金額は客観性のあるもので、売り手と買い手の双方が歩み寄って落とし込まれた金額になるものです。

 

この点を忘れて、値段の吊り上げなどに走るのはよくありません。

 

値段やプライドに溺れてはいけない

 

大事なことなので何度でもいいますが、M&Aは、縁とタイミングが大切です。

 

そのうえで、双方が互いの立場を理解して相手をおもんばかりつつも、主張すべきところは主張して、そして譲るべきところは譲るといった態度が求められます。

 

交渉にあたっては、ビジネスの常識や紳士的な態度が必要になるということです。

 

繰り返しM&Aは結婚のようなものと述べてきましたが、自社(自分)だけいい目を見よう、相手を少しでも出し抜いてやろうといった姿勢では、良縁を結ぶことはできません。

 

仮に結婚できたとしても、すぐに相性が合わなくなり、ひと昔前に流行したような「成田離婚」みたいになってしまうのがオチです。

 

従業員のためにも、本筋を見失わない

 

アドバイザーから見れば本筋でないところで揉めることもあります。

 

売り手の社長のプライドやエゴが邪魔をするケースが典型的で、例えばM&A後の自分の肩書きなどにこだわってしまうと、よい話を自ら逃すことになりかねません。

 

会社のブランディングにも貢献している愛着のある商標を残したい。

 

このような「理屈」の通る主張ならともかく、瑣末な肩書きや名前、見栄えなどにこだわるあまり、買い手がそっぽを向いてしまうこともあると心得ておくべきでしょう。

 

そんなことでせっかくの良縁がブレイクしてしまうなら、社長本人はもちろん、残される従業員やその家族までが不幸になってしまいます。

 

 

syoei_maこの記事はGTAC編著
『オーナー社長のための会社の売り方』
(2013、幻冬舎メディアコンサルティング)
より転載したものです。

 

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