【M&A】最終契約と従業員や取引先への説明をどうするか?-契約編③(1)

 

デューデリジェンスが無事に終わると、いよいよ最終契約に向けた作業に入ります。

 

一部、売り手の資産が劣化していたなど、基本合意の内容と相違があった場合は修正して、売買価格に反映させます。

 

そして、最終契約においては、そのような相違が価格に反映されたうえで、双方が合意した日に設定されるということです。

 

基本合意の項目に修正を加えて最終契約に至る

 

基本合意契約と最終契約では、具体的な内容が変化することがあります。また、「(前社長の)引継ぎ期間1年」などとしか決めていなかった内容を「勤務延長の場合は双方で再協議する」など、細かいことも決めたうえで文書化します。

 

そのため、中間で交わす基本合意契約に比べると、最終契約書は文書量も多く、取り決める項目数も多くなる傾向にあります。

 

一般に売り手としては、基本合意の内容どおりか、やや不利な決着なら満足できる線だ、と考えておくべきでしょう。

 

従業員の引き抜きや競合を禁止する契約も

 

最終契約書には、細かな条件が付け足されるのが一般的です。その多くは買い手の事情や、リスク回避目的によるものです。

 

例えば前社長(売り手のオーナー社長)が、M&A終了後に買い手企業から、かつての息のかかった従業員を引き抜かない「勧誘禁止条項」があります。

 

また、前社長が株式や事業の譲渡後、一定期間内に、類似の事業を行ってはならないという「競業避止条項」などが課せられます。

 

さらに、最終契約書では、売り手と買い手の双方が、それぞれ開示した情報や内容が事実であることを宣言し、相手方に保証をすることが一般的です。これを「表明保証」といいます。

 

最終契約書の作成にあたっては、アドバイザーはもちろん、顧問弁護士など法律の専門家にもよく確認をしてもらい、不備や自社に不利な条文はないかなどよく確認してください。

 

 

(その2)に続きます。

syoei_maこの記事はGTAC編著
『オーナー社長のための会社の売り方』
(2013、幻冬舎メディアコンサルティング)
より転載したものです。

 

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