【税金対策】「商品」を見る目を養う(棚卸資産評価損)(1)

 

節税の方法として、意外と注目されていないものが「棚卸資産」です。本来、棚卸資産は販売をスムーズにするための資産であり、節税目的で使うものでもなく、また特別に節税効果がある資産ではありませんが、それでも棚卸資産の評価を調整することで、節税対策を行う方法があります。

 

棚卸資産というのは、在庫の状況などに応じて次のような分類方法があります。

 

・商品・・・・・取引先から仕入れた完成品の在庫

・製品・・・・・自社製品の完成品

・原材料・・・・取引先から仕入れた原材料の在庫

・半製品・・・・生産途中の未完成品だが販売できるもの

・仕掛品・・・・生産途中の未完成品で販売できないもの

・貯蔵品・・・・荷造り用品、事務用消耗品、生産ラインの消耗品など

 

これらの棚卸資産は通常期末に評価されて「貸借対照表」の中の「資産」の項目に入ります。棚卸資産が膨大になってしまうのは、棚卸資産が現金化されるのに時間がかかったり、営業努力などが必要になるために、経営上はあまり好ましいものではありません。さらに、商品の陳腐化や劣化などによって現金化できないケースもあり、最近の傾向として、極端に在庫=棚卸資産を小さくすることが優良な経営といわれています。そういう意味でも棚卸資産の取り扱いには注意したいものです。

 

ちなみに、棚卸資産の評価方法には、その基準価額を決める方法がいくつかあります。日本では大別すると次のような2つの方法があり、業種や企業の状況によって選択できることになっています。

 

取得価額をベースにした「原価法」

 

1つ目は取得価額をベースに評価する「原価法」です。

具体的に棚卸資産を種類ごとに区分し、区分ごとに取得価額を計算する方法、その上で、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法、売価還元法といった計算方式で算出します。

 

数多くのアイテムを扱う百貨店や小売店などの場合、売価還元法が使われることが一般的です。製造業の場合でも原価計算を行わずに、製造工程の段階で製品売価の何%といった方法で計算する売価還元法が採用される場合もあります。

 

 

(その2)に続きます。

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この記事はGTAC編著『スゴい節税』(2012、幻冬舎メディアコンサルティング)より転載したものです。

 

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