【海外活用】中国の規制強化で打撃を受けるマカオのカジノ
中国政府がマカオのカジノへの違法な資金の流れに対して、取り締まりを強化するとしたことに、マカオのカジノ産業が打撃を受けているとブルームバーグ(Bloomberg)が報じています。ラスベガスを抜いて世界一となったマカオのカジノにおける今回の騒動を、ブルームバーグの記事「Macau Casinos Slump on Reported China Crackdown on Money」からご紹介します。
●中国政府によるマカオのカジノ取り締まりが強化
中国政府がマカオのカジノに流れる違法な金の取り締まりを強化すると、2014年12月17日付けのサウス・チャイナ・モーニング・ポストによって報じられた途端、香港の取引市場では、マカオのカジノ関連株が暴落したということです。
この報道は、習近平国家主席がマカオ返還15周年記念の式典に現地を訪れる、まさに2日前に出されました。そもそも習主席は、政府高官のギャンブル浪費に対するキャンペーンを展開しており、そのためにマカオのカジノの売り上げは落ちていました。また識者によれば、ギャンブル愛好者は、国家主席の訪問先に行くことを避ける傾向にあるため、12月以降のカジノの売り上げも、落ち込むことを予想しています。
マカオの金融管理局によると、記事が出る一ヶ月前の11月20日には、銀行幹部やマカオの司法当局などが、マネーロンダリングの問題に関して議論を交わしていたとのことです。さらに、11月28日には中国公安部が、海外のギャンブル関連の犯罪を取り締まる措置を議論するために、全国の18の省や都市の代表者と会談していました。
取り締まりの具体的方法として、疑わしい取引を特定するため、公安部内の経済犯罪捜査局に、銀聯の銀行カードを使った送金記録への電子アクセス権を与えて、調査をさせるとのことです。
また、マカオ政府は、銀聯のデビットカードをカジノで使用することを制限するとともに、カジノ内にある宝石店や質屋から銀聯カード用端末を撤去するなどし、マカオのカジノへのお金の流れに歯止めをかけているとのことです。
中国は、以前にも、不法な資金が本土からマカオに持ち込まれているとして、カジノリゾート内での銀聯の使用を取り締まったことがあったそうです。
海外活用コラム 執筆:GTAC(2015年1月8日付)
この記事はお役に立ちましたか? 幻冬舎総合財産コンサルティングが運営する無料会員組織「カメハメハ倶楽部」に登録すれば、最新の関連情報やセミナー/イベントの開催情報などをいち早くお受け取りいただけます。無料会員登録は、登録フォームからどうぞ。