【海外活用】新興市場より注目?フロンティア市場
経済成長率は高いが流動性の低い市場である「フロンティア市場」に、現在投資家が熱い視線を送っています。ウォール・ストリート・ジャーナル紙がベイリングのファンド・マネージャーへのインタヴュー記事「Barings Sees Opportunities in Bangladesh, Sri Lanka and Nigeria」を掲載しましたので、ご紹介します。
◯市場の落ち込みをチャンスと捉える
フロンティア市場は新興市場に比べれば、一般的にグローバルな動向にあまり影響されないと考えられていましたが、原油価格下落によりフロンティア市場が急落したように、近年グローバルな出来事がフロンティア市場に非常に大きな影響を及ぼしていると、フロンティア市場で5000万ドルを運用するベイリングのファンド・マネージャー、マイケル・レヴィ氏は言っています。
レヴィ氏はこのフロンティア市場の落ち込みは一時的なもので、今後フロンティア市場はさらに投資家を呼び込むことになると考えているそうです。
ナイジェリアは、そのような国の一例であり、今のところ通貨と株式市場は強い圧力の下にあるものの、多くのナイジェリア企業が評価され始めているとのことです。「ナイジェリア市場、その中でも特に金融と消費者セクターには多くの機会があります。しかし、短期的な成長を遂げるのは難しい可能性があるため、投資家は忍耐強くなければなりません」というレヴィのコメントを記事は引用しています。
ナイジェリア以外にも、バングラデシュ、ベトナム、そして平和裏に選挙による政権交代を実現させたスリランカの経済成長には大きな期待ができるとレヴィ氏は指摘します。
スリランカの政治的安定とは違い、バングラデシュでは今年初めより政治的混乱が続いていますが、その一方で、医薬品セクターを始めとする地元企業の多くは著しく成長しているとレヴィ氏は主張しています。また金融会社の中では、国内最大のモバイル決済システムbKashを運営するBRAC銀行が特に魅力的とのことです。バングラデシュでは、正規の銀行システムを利用しているのは人口の15%未満にとどまっており、人口の70%以上の人が携帯電話を保有していることを考えれば、モバイル決済システムには大きなチャンスがあるとのことです。
今後の見通しは楽観的であり、今以上に多くの投資家がフロンティア市場に関心を向けるであろうとして、「マーケットが落ち込んだからこそ、参入するチャンスとなっている」というレヴィ氏のコメントで、記事を締めくくっています。
海外活用コラム 執筆:GTAC(2015年3月4日付)
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