【海外活用】 ベトナムがアジア経済の新しい「虎」に(前編)
国営企業の不良債権問題を抱えつつも、ベトナムは勢いよく発展を遂げており、いまやアセアンの中で最大の対米輸出国に成長しました。そんなベトナム経済について、Bloombergが記事「アジアで新しい経済の虎が生まれる:グッドモーニング、ベトナム(原題:Asia’s About to Spawn a New Tiger Economy: Good Morning, Vietnam)」を配信していますので、2回に分けてご紹介します。
◯京セラの複合機生産の最大拠点に
数年間、経済不調に悩まされていたものの、人口の増加と平均年齢の若さに支えられ、ベトナムは再び経済発展のチャンスを迎えていると記事は伝えています。1980年代から始まった市場開放を進めるドイモイ政策は、7%の経済成長を一時期は達成しましたが、国有企業における不良債権が問題となり、近年は勢いを失っていました。
しかし中国が賃金コストの増加や人民元の高騰により、国際競争力を喪失していく中で、サムソンやインテルなどの製造業がベトナムに進出し、ベトナムがアジア経済の「虎」になる機会を与えていると記事は述べています。プライスウォーターハウスクーパース(PwC)によると、ベトナムは、2050年までに世界で最も急成長する国の一つになる可能性があり、その経済成長率はナイジェリアに次ぐ平均5.3%とも予測されているとのことです。
また日本企業にとっても、ベトナムは中国に代わる安価な製造拠点であるのみならず、日中関係が冷める中においては、政治的に投資し易いことも魅力となっています。京セラの子会社である、京セラドキュメントソリューションズは、中国の事業拠点の一部をベトナムのハイフォンに移管するなどし、2018年までにベトナムでの複合機生産数を4倍の200万台に引き上げる計画を打ち立てました。これによりベトナムは中国を抜いて、京セラの複合機生産の最大拠点になるということです。
また、ベトナムの成長が伺える象徴的な出来事として、2014年にベトナムは、米国への輸出高で、タイとマレーシアを抜いて、アセアン最大の輸出国となったことを、記事では指摘しています。
<後編に続きます>
海外活用コラム 執筆:GTAC(2015年3月31日付)
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