<討論会>富裕層・企業オーナーのためのNISA活用法(その1)

2013年10月22日

■2013年10月5日(土)開催・特別イベント

「富裕層・企業オーナーのためのNISA(ニーサ)活用法」

~資産運用のプロがニュートラルな立場の幻冬舎に集合
 注目集める「少額投資非課税制度」の上手な使い方をアドバイス

 

10月から口座開設受付がスタートしたNISA(少額投資非課税制度)。この制度を利用して上場株式、株式投資信託を購入した場合、投資金額で年間100万円、総額500万円までに生じた値上がり益、配当金、分配金への課税が非課税になります。 今回、制度のスタートにあたり、日興アセットマネジメントNISAセンター長の汐見拓哉さん、フィデリティ退職・投資教育研究所所長の野尻哲史さん、そしてマネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆さんの3名(五十音順。文中敬称略)で、パネルディスカッションをしていただきました。なお、コーディネーターはラジオNIKKEIで活躍中のアナウンサー、うちだまさみさんです。

※発言はすべて10月5日(土)時点のものです。

 

全体

 

●仕組みを十分に理解できていない人も多いが・・・

――いよいよNISAの口座開設申込みがスタートしました。現場の盛り上がり具合はどうですか?

 

汐見
 当社は運用会社なのでNISA口座の開設を受け付けていませんが、販売金融機関の方々から話を伺うと、現場はかなり盛り上がっているようで、営業もNISA中心になっていますね。

 

野尻
 せっかくの非課税枠だから、使わないともったいないことは理解されているようですが、仕組みが難しすぎて、どう使えばよいか分からないという意見も多いですね。また販売金融機関がどのような商品、サービスを提供するのかがまだ見えてこないというところもあります。

 

広木
 野尻さんがおっしゃられたように、マネックス証券のコールセンターにも、NISAの仕組みが難しいという意見をいただくことが多いようです。たとえば総合口座からNISA口座に移管できるのかとか、50万円を投資したものが100万円に殖えたら、もう非課税枠を使い切ってしまったことになるのかとか、仕組みを十分に理解できていない人が多いようです。

 

●先行国イギリスでは制度内容が国民に広く深く浸透

汐見氏

汐見拓哉氏

日興アセットマネジメント株式会社

カスタマーサポート部長 兼 NISAセンター長

 

日興証券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)を経て、1995年日興証券投資信託委託(現日興アセットマネジメント)に転籍。主に投資信託のプロモーション業務に携わる。現在は、国内外の業界動向や、法制度の調査・分析、営業戦略の立案などを手がけるとともに、NISAセンター長として、少額投資非課税制度(NISA)の認知向上と普及に努める。

――NISAはイギリスのISAがベースになっています。野尻さんは実際にイギリスまで行って、リサーチなどをされていますね。

 

野尻
 昨年9月と今年2月に行きまして、現地の財務省や歳入関税庁、金融庁を訪問したり、フィデリティ以外の運用会社や、IFAという独立系ファイナンシャルアドバイザー、実際にISAを活用している個人投資家に会ったりしてきました。特に印象的だったのは、ISAは国民が信頼しているブランドだという認識が、財務省の方から個人投資家まで浸透していることです。何しろ国民の4割近くが加入していますから、このブランドを傷つけるわけにはいかないという意識が強く、真剣に取り組んでいるのです。あと、非常に身近な存在であるということですね。タクシーの運転手に「ISA使っていますか?」と聞いたら、即座に「もちろんだとも」と返ってくる。そのくらい認知度が高いということです。

 

――汐見さんもイギリスの動向は見ていらっしゃいますよね。

 

汐見
 私は昨年11月にイギリスへ行ったのですが、野尻さんと同じことを思いましたね。ISAという制度が、イギリス国民の間に広く深く浸透しているという印象を受けました。イギリスのISAは、NISAと違って預金型があります。イギリスの総人口は6300万人ですが、このうち実に2400万人が、預金型ISAか株式型ISAのいずれかを利用しています。

 

●非課税期間の恒久化・投資金額の上限撤廃についても議論が必要

――預金型ISAというのは、定期預金のようなものですか?

 

汐見
 預金やMMFを対象にしたISAと考えてください。イギリスでは、まず預金ISAから始めて、その後株式ISAにシフトしていく人が多いようです。日本のNISAに近いのは株式型ISAで、株式、投資信託、債券、保険を投資対象にできますが、投資信託が全体の80%を占めています。投資信託にもさまざまなタイプがありますが、2004年以降はマルチアセット型といって、さまざまな資産を組み入れたタイプが人気を集めています。

 

野尻
 イギリスの事例は日本のNISAの将来像と言ってもよいかもしれません。といっても、日本は今、超低金利なので、預金型ISAは必要ないと思います。ただ、非課税期間を恒久化したり、投資金額の上限をなくしたりする点は、これからNISAの制度改善を行っていくうえで、議論していく必要があると思います。

 

――非課税期間の恒久化や投資金額の上限撤廃というのは、イギリスでも段階的に行われてきたのですか。

 

野尻
 そうです。たとえば非課税期間の恒久化については、ISAという制度がスタートして6年目に議論が行われ、7年目に実現しました。だから、NISAも今の制度内容が改善される可能性は十分にあります。非課税期間5年の撤廃はちょっと難しいかもしれませんが、口座開設期間の恒久化は実現可能性があります。

 

 

<その2に続く>

 

 

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