【資産防衛】「ピケティ」で受難?資産家の取るべき行動とは

 

71EzL0pAsPL._SL1500_価格5940円、700ページを超える専門書でありながら、日本でもベストセラーになっている『21世紀の資本』。著者はフランスの経済学者トマ・ピケティ氏ですが、主題の一つである「r>g」の法則、すなわち「資産を数多く保有する富裕層が投資で得る平均収益率(r)は、経済成長に伴う一般人の所得の平均伸び率(g)よりも大きい。したがって時間が経てば経つほど、富裕層と一般人の資産格差は広がっていく」という理論については、すでにご存じの方も多いでしょう。

 

さらにピケティ氏は、この理論に基づいたうえで、格差を是正するためには「累進課税の強化」が必要だと述べており、その是非についての議論がいわば「ピケティブーム」「ピケティ現象」というかたちで盛り上がっています。

 

朝日新聞 2015/02/03

『ピケティ論争、日本白熱 格差問題、議論が活性化』

 

読売新聞 2015/02/07

『「富の再配分やっている」格差対応で野田氏反論』

 

日本経済新聞 2015/01/31

『ピケティブーム 財務省、格差論に警戒感』

 

上記は一例ですが、従来からある格差是正議論がこれほど高まっている時期はないかもしれません。政党・政治家の人気取りにピケティ理論が使われる傾向もあり、今後の政局等によっては、資産家にとって「受難のとき」が一気に訪れるのでは・・・と心配される方もいるのではないでしょうか。

 

それでなくとも、今年からの相続税の最高税率アップを筆頭に、資産家を取り巻く環境は厳しさを増しています。格差是正という大義名分のもと、大切な資産がどんどん削られていくのを甘受するか否か――。資産防衛のために「自ら学び、行動に移すこと」が、これほど求められる時代はないと言えるかもしれません。

 

なお、今週月曜日のNHKニュースウオッチ9では、「預金封鎖」「財産税」をキーワードとする特集も放送されました。NHKのニュースウオッチ9といえば、最も一般的で影響力のある報道番組のひとつだと思いますが、こういった特集企画をNHKが行う時代になっている、ということも、目をそらさずに認識しておきたいところです。

 

<参考>NHK『“預金封鎖”の真実』

http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2015_0218.html

 

<執筆>GTAC 2015年2月18日付 

 

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