【セミナー冒頭5分紹介】「連年贈与」のウソ・ホント!税務調査で否認されない”生前贈与”の進め方

 

本コラムは、2024年8月1日に開催されたセミナー『「連年贈与」のウソ・ホント!税務調査で否認されない”生前贈与”の進め方』(講師:税理士法人レガート 税理士・服部誠氏)の冒頭5分を書き起こしたものです。

 

近年の贈与税の申告状況

 

服部:近年の贈与税の申告状況、こちらは昨年の秋に国税庁のホームページで発表されたデータになります。申告人員は、贈与税の申告をした方です。こちらが前年比2.6%増、そして申告納税額、贈与税として納税された金額、こちらはプラス10.9%という発表になっていました。申告人員、申告納税額ともに増加しているということです。

こちらが納税額です。右肩上がりでずっと増えていまして、前回は3,548億円の贈与税が納税されました。これだけ税金を納めて、1年間で財産を贈与していたということですね。申告人員も51万人ということで、時々こういう税制の大きな変動・改正があった時に駆け込み的な贈与があった年があります。ずっと40万人台で推移していたものが、昨年は51万人の申告の方がいたということが発表になっています。

贈与の目的としては、まず考えるのが相続税対策ですね。節税対策として、贈与を活用している。そして資産承継対策、早めに財産を移転しておこうと、事業用の資産であるとか会社の株式であるとか、そういった形で後継者の方に承継する一つの方法として贈与が活用されているということで、年々この件数も納税額も増えているというのが実態であります。

では、まず何なのかというところから押さえていきたいと思います。ここをしっかり押さえないと、せっかく贈与しているつもりでも、それが贈与として認められないということになりますので、まずこの定義をしっかりと押さえていただければと思います。

民法第549条にこの贈与が書かれています。「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」ということになっています。

登場人物は2人なんですね。まず、あげる方、自己の財産を相手方に与える人、あげる人、贈与者です。そして、その相手方、受贈者、財産をいただく人です。登場人物は、この2人です。

そして、あげる方がまず相手に意思を表示する。「これをあげますよ」「贈与しますよ」という意思を表示するというのが一つ。そして相手方、もらう人が「分かりました」「いただきます」「ありがとうございます」と受諾する。

あげる人の意思表示ともらう人の受諾、この両方があって初めてその贈与というものは効力を生じるということになっています。あげる人ともらう人の意思の合意、これがまず必要ということです。ですから、どちらか一方が欠けた場合、贈与とは言わないんですが、それは贈与は成立しないということです。

名義預金の問題

 

時々聞くケースで、例えばおじいさんが孫に毎年100万円お金を渡していた。孫はまだ小さく若くて、あまり現金を持たせるとちょっと心配だということで、孫には内緒で、孫の口座を作って、今は口座を勝手に作れませんけどね。孫の口座に、孫には内緒で、毎年現金を移していた。おじいさんは贈与しているつもりなんですね。自分のお金を孫の口座に移し、毎年贈与していたつもりです。

ところが、これは贈与になっていません。受け取る側、孫は知らないんですね。受諾していません。ですから、これはおじいさんが孫の名義を勝手に借りて、自分のお金の置き場所を変えているだけなんですね。これは、依然としておじいさんのお金に変わりはありません。

ですから、この状況で例えばおじいさんに相続が起こった場合、孫名義の預金はどうなるか。これは、おじいさんの相続財産なんですね。名義預金というものになり、おじいさんの相続財産に戻して、相続税を計算するということになってしまいます。

ですから、あげる人の意思表示、もらう人の受諾、これは必ず必要だということをまず押さえてください。そして、未成年者への贈与、これも注意が必要です。

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冒頭5分動画

 

 

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