【セミナー冒頭5分紹介】認知症対策だけじゃない! 数世代先の相続まで見据えた資産管理・承継ができる 「家族信託」活用術

| 本コラムは、2024年5月9日に開催されたセミナー『認知症対策だけじゃない! 数世代先の相続まで見据えた資産管理・承継ができる 「家族信託」活用術』(講師:第一東京弁護士会所属 中川・山川法律事務所 弁護士・村井隼氏)の冒頭5分を書き起こしたものです。 |
法律上「家族信託」という言葉は存在しない
村井:今日紹介する家族信託という制度は、資産の維持管理だとか承継というところで効果を発揮する制度になっています。とはいえ、家族信託は比較的最近になって注目されだした制度でして、まだ馴染みがない部分もあるかと思います。本日は、以前からあるような、同じように資産の維持管理、それから承継の制度である遺言だとか後見人といった制度とも比較しながら、家族信託について説明して、あとは具体的にどういった場面で活用できるんですかというところも紹介していければいいなというふうに思っております。それでは、よろしくお願いします。
まず初めに、信託とは何かというところから説明したいと思います。実は、家族信託という言葉自体は法律上は存在していないんですね。民法、法律で定められているのは信託契約という類型だけでして、家族信託というのはその中の一種ということになります。
では、信託とは何かということになると、これは読んで字のごとくです。自分の財産を信頼できる誰かに託すと、管理運用してもらうというところが本質的な内容になります。先ほども申し上げたように、家族信託となると、信託契約の一種ですけれども、割と最近になって注目されだした制度ということです。
次に、家族信託というものが出てくる歴史的背景についても触れてみたいと思います。まず1922年、これは大正11年の話ですけども、信託法が制定されました。ただ、信託法が制定した時に想定されていたのは、いわゆる今もありますけど、信託銀行などの企業が営利目的で行う信託というのがメインだったんですね。これを商事信託というふうに言いますけども、営利目的ということは、不特定多数のお客さんから報酬を受け取って、財産を維持管理するというものがメインだったわけです。
今言ったように、不特定多数の人から高額の財産を預かろうとすると、やっぱり利益を追求するために、キャパシティを超えた数の財産を預かるとか、リスクの高い財産を預かるとかっていうことになりがちです。場合によっては横領だとか、そういった問題も出てきますので、もともとこういう商事信託というのは免許制、登録制が取られてたわけです。
さらに、あくまでも企業の営利のために行う信託です。そのため、企業側の都合で、取り扱う財産が限定されていたり、あるいは信託のルールとして、例えば、万が一財産、預けた財産に事故が起きた時でも銀行側は責任を負いませんよとか、そういう制限がついていたりするのが普通だったんですね。
「家族信託」の特徴とは?
こうやっていろいろ制約があった商事信託ですけれども、高齢化社会が進んできた結果、もうちょっと柔軟に信託を使いたいとか、あるいは自分の希望するような条件で信託を結びたい、もっと言うと、銀行なんかじゃなくて、将来その資産を承継することも見据えて、個人的に家族とか親族の人に財産の維持管理を任せたい、運用を任せたいというようなかたちで、信託利用のニーズがちょっと変化、拡大してきたんですね。
こうした中で、2006年、平成18年に信託法の大改正が行われます。この約80年間ですけども、実は信託法、ほとんど改正がされてませんでした。ここで初めて、より柔軟で幅広い信託の利用を目指した改正が行われたんですね。これによって、これまであったような商事信託とは異なる意味での民事信託というものが生まれてきました。特にその中でも、個人的に信頼できる家族、親族に対して財産を託すという家族信託が注目されだしたんですね。
ですから、この家族信託という言葉はですね、もうここ10年、20年で出始めた本当に新しい制度というふうに言えると思います。
今申し上げたようなところから、従前あった信託と比べての家族信託の特徴としては、次のようなことが言えると思います。まず、任意の自分で選んだ財産について、自分の思うように適切な管理、それから承継を図っていくことができます。それから、個人的なつながりがある、信頼できる家族、親族に財産の管理を託すことができると。この辺りが、これまでのいわゆる商事信託とは違った家族信託の特徴といえます。
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冒頭5分動画
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