【事業承継】コツコツ贈与の効果―暦年贈与・3(2)

2014年4月25日

 

配偶者控除を利用して妻に自宅を贈与

 

また、贈与や相続は何も後継者に対してのみ限ったことではありません。年間110万円の非課税枠を使って他の親族にコツコツと贈与しておけば、後に発生する相続税対策となったり、相続税の支払いのための資金としたりすることも可能でしょう。

 

配偶者に対しては、いわゆる「贈与税の配偶者控除の特例」が使えます。

 

結婚してから20年以上経った配偶者に限り、自分が住むための土地や建物などの不動産、あるいは不動産を購入するための資金を贈与する場合は、一定の要件を満たせば2000万円までの贈与に対しては、贈与税を非課税にする制度です。

 

基礎控除の110万円を合わせれば、2110万円までの不動産または購入資金の贈与には、贈与税がまったくかかりません。

 

とくに、土地・建物の不動産の評価は、時価ではなく路線価や固定資産税評価額に基づいて行われるため、現金よりも低くすることができます。不動産評価と暦年贈与の合わせ技で、より多くの財産を配偶者に残すことができます。

 

また、相続税には「小規模宅地等の特例」という規定があります。240平方メートル以内という制限付きですが、最高80%減額できるので、どのようなケースでも贈与税の配偶者控除の特例のほうが、節税効果が高いわけではありません。

 

自宅が240平方メートルよりはるかに大きい場合は、相続ではなく贈与で少しずつ配偶者に渡していくといいでしょう。あくまでも配偶者の長年の労をねぎらうために、生きているうちに、かたちにしてプレゼントしたいときに活用できる、そう考えておくのもいいと思います。

 

また、贈与税の配偶者控除の特例を利用する場合は、不動産取得税や登記費用など、不動産取得に関わるさまざまな税金や費用が発生しますので、そうした費用も考慮して相続の節税効果と比較してみてください。

 

贈与はあげる人ともらう人の合意があってはじめて成立する制度です。こうした点で後々になってトラブルにならないように、「贈与契約書」を残しておくことも大切です。ポイントは、

(1)契約(贈与)の目的を明確にする

(2)贈与の目的物(自社株式等)を明確にする

(3)引き渡しの履行期、引き渡しの費用の負担を明確にする

(4)贈与者、受贈者双方が記名または署名のうえ、押印する

(5)贈与契約の存在、作成時期を明確にしておきたい場合には、公証人役場に作成した契約書を持参して、「確定日付」を押してもらう
などの5つです。

 

 

(その1)に戻る。

 

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