【セミナー冒頭5分紹介】～富裕層のファミリーガバナンス～ 相続問題、夫婦の資産管理、家族経営の問題…家族関係を意識した「資産管理・保全・防衛策」

「ファミリーガバナンス」とは？

溝口：本日のテーマについてでございます。富裕層のファミリーガバナンスというタイトルをつけさせていただきまして、トラブル事例を参考にしながら、家族関係を意識した資産管理・保全・防衛策等について解説させていただく予定でございます。

そもそも、ファミリーガバナンスとは何かというところについて、一番最初に、特に時間を割いてよく説明させていただきます。ファミリーガバナンスの理解を踏まえた上で、各種問題について夫婦関係、相続問題、夫婦関係では離婚もそうですけれども相続の問題、このあたりはかなり多くの方にとって関わりが深いところになってこようかと思います。

特にこのあたりを中心にしながら、財産管理問題とか家族経営される時の色々なケースについて意識をした対応策についてお話をします。最後のところで、モデルケースを2つほど提示させていただいて、こういった考え方で、ファミリーガバナンスというのは構築していくんだという話をさせていただこうと考えております。

では早速、ファミリーガバナンスの話から始めたいと思います。まず、ファミリーガバナンスというのはどういったことなのかというところで、簡単な定義で申し上げますと、読んで字のごとくであるんですが、ファミリーの統治機構、統治構造を作っていこうというような考え方でございます。

このファミリーガバナンスを通じて、何をしようとしているかという目的でございますけれども、大きくやることとしては2つ。まず、ご家族の中の意見をしっかりまとめるというところでございます。

さらに、先ほど述べたような相続の問題、家族経営の会社ですね。次のところにもなるんですけど、ファミリービジネスっていうのは家族系、同族企業、オーナー企業、いろんな形ありますけれども、全てひっくるめたものです。このあたりの健全なファミリービジネスを営むとか、家族間の利害関係を調整するといったところを行うことによって、資産の防衛保全を実現するという、まさに今回のテーマに沿ったお話のところでございます。

家族間では法的トラブルが発生しやすい

これだとちょっと抽象的な話なので、そもそもファミリーガバナンスというものをなぜ構築する必要があるのかというところで、その目的をもうちょっと掘り下げたいと思います。そもそも、弁護士をしていると紛争事例がたくさんありますけれども、特に家族関係の中では法的なトラブルというものが発生しやすいという実感がございます。これは、ご家族の仲が良い悪いに関わらず発生しやすいものでございます。

なぜかというと、1つ目に、家族とか財産の法的関係が時々刻々と変化していくというところでございます。家族で言いますと、家族構成というのはご結婚、それからお子様が生まれたりお孫さんが生まれたりとか、逆にお亡くなりになったりする場合もございますけれども、そういった家族の構成メンバーというのは時々刻々と変化します。また、同じメンバーであっても、お子様であれば、成長によってステージが変わっていってるというところもございますので、そういった家族の構成が変わると、財産の構成も当然ながら変わります。

特に、こういったセミナーにご参加されている皆様は、資産についてご関心があるので、投資であったりとか資産防衛・保全、そういったところに非常に関心がおありだと思います。事業でも成功されている方が多くいらっしゃるのではないかなと思いますけれども、当然財産の中身というものも大きく変化していきますので、色々と関係が複雑になりやすいというところですね。

今日後で触れないところで言うと、養子縁組とかいったものを節税策としてお使いになられる方は結構いらっしゃいます。節税策として見た時には有効である場合が多かったりする反面、一旦養子縁組を組んでしまうと、離縁、養子を切るというところはなかなか難しい、後戻りが困難なケースだったりします。こういったものも、節税策という1つの観点だけで見るのではなくて、どういった展開になり得るかというところをある程度想定して、多角的な観点から、いろいろな家族関係の法的な整備というのを行っていく必要があるだろうと…。

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